競馬弘法は筆を、ムーアは馬を選ばず。チャンピオンズCを制した超瞬発力。

弘法は筆を、ムーアは馬を選ばず。チャンピオンズCを制した超瞬発力。
12/4(月) 11:26配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171204-00829420-number-horse
https://lpt.c.yimg.jp/amd/20171204-00829420-number-000-view.jpg
フェブラリーステークス以降14着、7着、5着と負け続きで人気薄だったゴールドドリームも、ムーアの手にかかればこの通りだ。 photograph by Yuji Takahashi

 上半期のダート王が世界の名手に導かれ、師走の頂上決戦で復権を果たした。

 GI馬6頭を含む豪華メンバーで争われた第18回チャンピオンズカップ(12月3日、中京ダート1800m、3歳以上GI)を制したのは、ライアン・ムーアが騎乗した8番人気のゴールドドリーム(牡4歳、父ゴールドアリュール栗東平田修厩舎)だった。

 2月のフェブラリーステークスを勝ったあとは惨敗つづきだったが、鮮やかに復活。
同一年にフェブラリーステークスチャンピオンズカップ(前身のジャパンカップダートを含む)を制覇したのは、2000年ウイングアロー、2011年トランセンドに次ぐ史上3頭目の記録となった。

 最後の直線。逃げ込みをはかるコパノリッキーを、1番人気のテイエムジンソクがとらえにかかる。
この2頭のワンツーかと思われた次の瞬間、外からゴールドドリームが矢のように伸びてきて差し切った。勝ちタイムは1分50秒1。

■ 理想的な位置を確保し、ガチッと折り合わせる。

 「すごく素質がある馬で、いい状態だと聞いていたので勝てる自信があった。それなりのスタートを切り、いい位置がとれて、スムーズに運べました」とムーア。
アルバートで制した前日のステイヤーズステークスから、2日連続の重賞制覇となった。

 「アイスマン」のニックネームそのままに淡々と語るが、ただつかまっていたわけではない。遅れ気味にゲートを出てからゴールドドリームの首を押し、中団のポジションを積極的にとりに行った。

 そして理想的な位置を確保したら、それ以上行きたがらせることなく、馬ごみのなかで折り合いをつけた。「ピタッと折り合った」というより、「ガチッと抑えた」という感じの力業だった。

 コーナリングも見事だった。同じリズムのストライドを保ったまま、コンパスで描いたようにコーナーを回らせた。4コーナーを回り切るときだけ遠心力を生かして外に出し、前が開くと豪快に追い出した。

■ 先行有利の流れを一発でひっくり返した瞬発力。

 2着テイエムジンソク、3着コパノリッキー、4着ケイティブレイブら、先行した馬たちで決着しそうな展開だったが、一頭だけ別次元の末脚を繰り出し、差し切った。

>>2以降へ続く