ホンジュラス非常事態宣言、大統領選後の暴力デモで 中米

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2017年12月3日 9:56 発信地:テグシガルパ/ホンジュラス

【12月3日 AFP】大統領選で不正があったと野党候補が主張したことをきっかけに全土で暴力を伴うデモが行われている中米ホンジュラスで、政府は1日夜、非常事態を宣言し10日間の夜間外出禁止令を出した。

 警察によると、同国の複数か所で野党支持者と機動隊が衝突し、少なくとも市民12人、警察官2人が負傷した。負傷者の中には銃で撃たれた人もいる。
 大統領選で不正があったと主張する野党候補のサルバドル・ナスララ(Salvador Nasralla)氏が支持者らに抗議デモを呼び掛けたことをきっかけに暴力的な事態に発展し、フアン・オルランドエルナンデス(Juan Orlando Hernandez)大統領は、午後6時から午前6時までの夜間の外出を禁止する大統領令を出した。

 ホンジュラス憲法は再選禁止を規定していたが、最高裁はその規定を無効と判断。現職のエルナンデス氏は再選を目指して大統領選に出馬していた。11月26日に行われた大統領選の開票は約95%まで進み、エルナンデス氏が得票率42.92%で41.42%のナスララ氏をわずかにリードしている。

 最高選挙裁判所(TSE)のダビド・マタモロス(David Matamoros)長官は、現在は左派政党の党首を務めているマヌエル・セラヤ(Manuel Zelaya)元大統領の要求で行われることになった特別開票を2日に延期した。特別開票では与野党両陣営立ち会いの下で、矛盾があったり文字が不鮮明だったりするなどの疑問票について再検討した後、結果が発表される。

 セラヤ氏は「3日以内に結果が出る。彼ら(TSE)がこれらのこと(特別開票)を受け入れるなら、われわれも最終結果を受け入れる」と述べていた。しかしナスララ氏はテレビのインタビューで、TSEと政府が共謀している可能性があると指摘し、すべての票の数え直しを要求した。(c)AFP