大分遠隔地から一括管理、JR無人駅計画に住民懸念「高齢者は機械の使い方が分からない」

http://yomiuri.co.jp/national/20171203-OYT1T50036.html

大分市内にある日豊線豊肥線の計8駅の無人化計画について、JR九州は2日、市内で住民説明会を開き、概要を説明した。

 JR側は新システム導入により、サービスは維持できると強調。一方、住民からは安全性や利便性の低下を心配する意見が相次いだ。説明会は10日まで行われる。

 無人化するのは、日豊線の牧、高城、鶴崎、大在、坂ノ市の5駅と豊肥線の敷戸、大分大学前、中判田の3駅。JR九州は、すでに無人化されている日豊線幸崎駅豊肥線滝尾駅を含む市内10駅を監視用カメラやインターホンを備えた新システム「スマートサポートステーション(SSS)」とし、運営を遠隔地から一括管理する方針だ。

 この日は、市内4か所で説明会が開かれた。このうち鶴崎市民行政センターには沿線の住民ら約80人が訪れ、説明を聞いた。JR側の担当者はSSSを導入している香椎線14駅(いずれも福岡県)や筑豊線11駅(同)の事例を挙げ、動画などで仕組みを紹介。駅が無人化されても、予約に応じて係員が現地に出向くため、乗降時の補助などが受けられるなどと説明した。

 しかし、住民にはサービスや安全性が低下することへの懸念が強く、質疑応答では、「高齢者は(発券機などの)機械の使い方がわからない」「駅で転落事故などが発生したら対応が遅れるのではないか」などの意見や質問が続出した。

 視覚障害を持ち、通院などで週に3~4回、鶴崎駅を利用するという同市の男性(58)は終了後、「目の不自由な人がホームから転落する事故も起きており、駅員がいるのといないのとでは安心感が違う。公共性の高い交通機関として、市民の意見にもっと耳を傾けてほしい」と訴えた。

 JR九州の仲義雄営業部担当部長は「住民の方々からいただいた意見を駅の運営に反映できるか検討したい」と述べた。(坂口尊洸)