群馬旧日本陸軍の傑作機「疾風」胴体前部公開…実物大で復元進む

中島飛行機創業100年を記念して展示公開された復元途上の「疾風」(2日、太田市民会館で)
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 中島飛行機(現・SUBARU=スバル)が生産した旧陸軍戦闘機「疾風」を実物大で復元した胴体前部の展示が2日、群馬県太田市民会館(飯塚町)で始まった。

 疾風は1943年から終戦まで約3000機が生産された。最高時速は650キロを超し、当時の日本の戦闘機では最高傑作とも評価されている。

 その機体に魅せられて復元を進めているのは、三洋電機(現・パナソニック)の設計技師だった黒田郁夫さん(70)(宝町)だ。大学時代に航空部でグライダーを操縦していた黒田さんは、中島飛行機の工場跡地に進出した東京三洋電機(当時)に就職した。

 会社員だった約15年前から疾風の部品収集などを始め、2003年に早期退職してから復元に専念している。「終戦直前まで製造されていたので、当時の部品も入手しやすい」といい、計器類は「純正品」を用いている。その他の部品は図面を基に作り直すなどし、仲間5、6人が製作を手伝う。

 全長9・92メートルのうち、プロペラからコックピットまでの前部約5・5メートルを組み立て、翼も半分ほどできている。黒田さんは「中島飛行機が創業100年となった今年、多くの人に見てほしい」と、完成途上の名機を公開することにした。「エンジンを入手して地上滑走させるのが夢」と話す。

読売新聞 2017年12月03日 12時35分
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