気象南極のオゾンホール、過去29年間で最小-気象庁

[ 科学技術・大学 ]
【電子版】南極のオゾンホール、過去29年間で最小-気象庁

2017/12/3 11:30

9月11日に最大、消滅も早く

 気象庁は1日、南極上空のオゾンホールの面積が9月11日に今年最大となり、南極大陸の約1・4倍に当たる1878万平方キロだったと発表した。
面積が2000万平方キロを下回ったのは1988年の1370万平方キロ以来で、過去29年間で最も小さかった。消滅時期も11月19日で例年より早かった。

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南極オゾンホールの2017年の面積推移と最大面積の経年変化。灰色部分がオゾンホール域(気象庁提供)

 成層圏オゾン層は有害な紫外線を吸収して生態系を守る働きがあるが、破壊され穴が開いたような状態をオゾンホールと呼ぶ。
オゾン層を壊すフロンなどの濃度は依然高い状態で推移しており、気象庁成層圏の気温が8月中旬以降かなり高かったため、オゾン層の破壊につながる物質を出す特殊な雲が発達しなかったことが要因とみている。

 米航空宇宙局(NASA)の衛星観測データを基に、気象庁が解析した。世界気象機関などは、オゾンホールが発生しなくなるのは今世紀半ば以降と予測している。(時事)

NASAの発表動画(source:NASA Goddard)≫
https://www.youtube.com/watch?v=nV2pBd0F7S4

https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00453031