愛知「何か支援ができるはず」 残るカースト、インドの暗部 最下層「ダリット」出身男性が岡崎で支援訴え

社会的弱者の支援活動に取り組む体験を話すカリラトナムさん=岡崎市康生通東で
http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20171201/images/PK2017113002100225_size0.jpg

 インドのカースト制度で最下層に位置付けられる「ダリット」の出身で、社会的弱者を支援する現地の非政府組織(NGO)団体代表ムルガン・カリラトナムさん(59)を招いた交流会が三十日、岡崎市康生通東のグローバルスタディーズカフェで開かれた。

 発展途上国の支援をするアジア保健研修所(AHI、日進市)が主催。市民ら十五人が参加した。

 カリラトナムさんは大学卒業後にダリットらの地位向上を目指して三十五年にわたって活動。現在は障害者や学校に通えない子どもたちの教育支援をしている。

 以前AHIで研修していた縁で今回来日し、名古屋市日進市などでも話した。

 インドでは法律で人は平等と定められているが、古くからあるカースト制度が社会に根付いていることを説明。自身も幼少期から学校などで階層の高い人から差別され「高いカーストの人が住む地域ではサンダルを脱いではだしで歩かなければならなかった。いじめや体罰も受けていた」などと明かした。

 だが「差別に関係なく、誰でも教育を受けられるようにしたい」との思いからダリットの支援団体に就職。村ごとにダリットの住民組織をつくって行政に社会福祉政策を求めたり、自立のために教育支援などをしたりしてきたことを紹介した。

 カリラトナムさんは「インドでも日本でも困っている人がいる。彼らに対して目を向けてほしい。何か支援ができるはずです」と呼び掛けた。

 (朝国聡吾)

中日新聞 2017年12月1日
http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20171201/CK2017120102000054.html