教育社会的養護に子どもの声反映を 仕組み考える集い

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171203/k10011244931000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_036

12月3日 14時22分

親の虐待などを理由に子どもを児童養護施設や里親などで育てる「社会的養護」について、子ども自身の希望を反映させる仕組みを考えるシンポジウムが千葉市で開かれました。

「社会的養護」は、虐待や経済的な理由などから実の親と暮らせない子どもを児童養護施設や里親などで育てることで、去年の時点で、およそ4万5000人の子どもが対象となっています。幼い頃から家庭的な環境で育てることが将来の自立につながるとして、国は里親を中心とした受け皿の整備を進める一方で、中学生以上の子どもは里親になじめず、施設での集団生活を望むケースもあります。

子どもの希望を反映させる仕組みを考えようと、関係する学会が3日、千葉市でシンポジウムを開き、施設の職員などおよそ200人が参加しました。まず、アメリカのワシントン州では施設や里親のもとで育った人が、その経験を踏まえて行政機関に政策提言を行う制度が整備されていることが紹介されました。そのあと、国内外の専門家など6人が意見を交わし、日本もこうした制度を導入したうえで、「子どもに選択肢を示せるだけの多様な受け皿を用意するべきだ」とか、「みずから育つ環境を選ぶ権利があることを教える必要がある」といった意見が出されました。

参加した金沢市児童養護施設の施設長は「子どもを主体として育て方を考えることが欠けていた。一人一人と向き合って必要な環境を整えたい」と話していました。